楽天モバイルが法令違反?技適マーク問題からみえる迷走っぷり

スマートフォン
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楽天モバイルはオリジナル端末である「Rakuten mini」の対応周波数変更を無断で行ったことで、技適取得上の問題があきらかになり総務省から電波法に基づく報告を求められた。
公式のスペック表記と異なった使用がある点をユーザーから指摘され発覚したという何ともお粗末な事態だが、今回は本件がなぜ問題となるのかといった根本の部分と見え隠れする楽天の思惑を解説していく。

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スマートフォンの周波数について

スマートフォンを含む携帯電話は、各事業者が総務省から割り当てを受けた周波数帯域の電波を使用して通信を行っており割り当て以外の周波数を使用する事はできない。
各キャリアの販売する端末は自社の通信網が使用する周波数帯域をサポートするかたちで製品を販売しているが、SIMフリー端末を利用する際は使用したい事業者の周波数帯域(Band)に対応している必要がある。

各事業者の割り当て周波数帯域について

各事業者の現時点の割り当ては下記となっている。楽天モバイルはBand 3(1.7GHz帯)しか保有していないが、併せて国内ローミング先のauでBand 18 / 26(800MHz帯)を使用したサービス提供を行っている。(5G基地局用の帯域を除く)

各周波数帯域ごとに役割や重要性が異なり、一般的にはプラチナバンドと呼ばれる900MHz以下の帯域と、帯域幅が広く比較的電波の通り易い1.7GHz / 2GHz の2種類が重要とされている。

※各社の対応バンド一覧(◎は特に重要)
バンド周波数帯ドコモauソフトバンク
Band12.0GHz
Band31.7GHz◎  
Band8900MHz  
Band111.5GHz 
Band18/26800MHz  
Band19800MHz  
Band211.5GHz  
Band28700MHz
Band423.5GHz

各事業者は上記の割り当て周波数を守りサービス提供をする必要があり、万が一割り当てを受けていない電波を使用した際は電波法に抵触し、第一種電気通信事業者(電気通信設備を保有し自社の設備にて利用者に役務を提供する事業者 = ドコモ・au・ソフトバンクetc)の免許取り消しとなる可能性がある。
上記はあくまで事業者への割り当て周波数に関する内容だが、端末側にも発せられる周波数を定める必要がある。要は許可されている周波数や出力以外の電波を出すことがないよう、検査に合格し無線局免許を受ける必要があり携帯電話も例外ではない。今回の技適マーク問題はこちら側の話だ。

技適マークとは

技術

「技適マーク」とは、国内仕様が認められる範囲の技術基準が守られていることを認定するマークだ。「電気通信事業法に基づく、技術基準適合認定」と「電波法に基づく技術基準適合証明」の2種があり、スマートフォンの背面や設定からディスプレイ上で確認する事が出来るようになっている。電波法の観点から技適マークのない端末を国内で使用した場合は罰せられる可能性がある。

処罰されるケースは?

技適マークのない端末を用いて、公共電波の混信を招いた場合は処罰される可能性がある

技適マークのないスマートフォンを利用しただけで処罰されるということはなく、航空、海上、警察、救急など、国民生活の安心安全のために重要な公共無線の通信において、混信の申告があった場合、総務省がその原因を特定して排除を行う。
実際に検挙するのは警察のため、技適マークのない端末を使用していたとしても「継続的に混信の原因となるような電波を発し」「電波監視により原因として特定され」「警察による検挙に至った場合」に処罰されることとなる。実際に国内で技適マークのないスマートフォンの利用が原因で処罰されたケースはないのが現状だ。

楽天の周波数変更の問題について

Rakuten Miniは発売後、対応Bandを2度変更している。最終的に、北米や中南米での通信に最適なBand 4やBand 5への対応を追加した代わりに、初期ロットでは対応していたLTE/W-CDMAのBand 1を“非対応”とした。

※楽天miniの対応周波数変更推移

法令上の問題点は?

無線のハードウェア上の変更があった可能性が問題になっている

対応周波数の変更があることは同一の認証番号に対する「追加認証」というかたちであれば認められるが、ハードウェアの変更がない(過去の製造分でもソフトウェア更新で変更に対応できる)ことが前提となる。
今回のBand変更に関してはソフトウェア更新で対応が出来ておらず(希望のユーザーには端末交換という形で対応をとっている)、ハードウェアの変更があったと考えるのが自然である。その場合技適のレギュレーションとしては製造ロット毎に「別の無線機」とされるため、追加認証の取得はできず新規に認証を得る必要がある。
上記の問題から総務省に報告が求められており、場合によっては行政処分や今後の周波数割り当て時の評価点に不利が発生する可能性があるということだ。

ユーザーにとっての問題点は?

国内利用・国外利用ともに重要なBand1が非対応となり、ローミング・もしくは他社回線利用時の圏外率が上がる可能性がある

最も大きい問題として今回現行ロットで非対応となったBand1は楽天以外のMNO3社ではメイン周波数であることから、他社回線での利用時には圏外率が高まる仕様変更となる。しかしRakuten mini自体がe-sim(端末にSIMカードが組み込まれており物理的に差し替えが出来ない方式)を採用しているため他社回線の利用は難しい状況がある。しかしながらeSIM契約が出来るIIJなどに転出する選択肢があるユーザーにはデメリットとなる可能性の大きい変更だ。

また、楽天自身は「国際ローミングの品質向上」を理由に仕様変更したと発表しているがこの点も疑問は残る。当然追加となったBand4 /5 を採用している事業者の多い北米などでは接続品質が上がったと言えるが、Band1をメインに据えている事業者は海外でも多く、Band1を対応外としている時点で「国際ローミングの品質が向上した」とはいえない内容だ。

楽天の思惑は?

正直なところ、今回の変更はキャンペーンで1円とした端末が持ち逃げされてしまうことを懸念した変更のように見える(現在はキャンペーン終了)。Rakuten UN-LIMITの解約料は0円になっており、他社回線での使い勝手が良いと「契約後即解約→他社で端末利用」という動きが増える可能性があるためだ。
しかし端末のスペックを見るにeSIMというリスクを受け入れた上で他社回線利用を目的に端末を手に入れたいユーザーがどれだけいるのかというのは疑問で、そういった思惑の上で法令違反疑義となる案件を起こしてしまったのであればお粗末としか言いようがない。
サービススペックやキャンペーンは非常に魅力的な部分が多かっただけに、残念なニュースとなってしまった。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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